国際芸術祭「あいち2022」に合わせて、会場の一つとなっている一宮市では、さまざまなイベントや企画展が開催されます。本学の美術、デザイン、音楽の各領域も、パートナーシップ事業である「いちのみや芸術商店街」の企画・運営に参加、作品の展示と演奏会を行います。美術領域工芸コースとメタル&ジュエリーデザインコースは2022年8月9日(火)〜11日(木・祝)に一宮本町商店街のアーケードとその周辺に作品を設置しました。
「BOXアート」は、本学で一宮市の高校生を対象としたワークショップで制作されました。30センチ角の木箱に尾州織物の廃材等を用いて作られ、本学の111名の学生も「BOXアート」を制作しました。木箱のひとつひとつには作った人の内面や空想などが表現されており、個性が際立ち見応えのあるものになりました。一宮駅近くのI・T・Kビルでは、完成した約200個もの木箱を組み合わせ、ひとつの展示となっています。制作に参加した木曽川高校の生徒からは、「作っていて楽しかった」、「芸大生の作品と並べると見劣りするのではと思いましたが全体で見ると統一感があって安心しました」などの声が聞かれました。
中野正康 一宮市長、一宮本町商店街振興組合代表、銀座通商店街振興組合代表ら、関係者を招いて内覧会が開催され、本学からは米山和子 教授、中田ナオト 准教授が出席しました。中野市長は会場に集まった関係者や学生達を前に、これまでの努力に謝意を述べ「多くの分野の方のお力添えをいただきまして「いちのみや芸術商店街」の企画をスタートできることを楽しみにしています」と挨拶されました。
2022年8月11日(木)には、メタル&ジュエリーデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)の学生が、一宮駅から一宮本町商店街の思い思いの場所に作品を設置しました。あらかじめ学内で制作された作品を運び込み設置するものもあれば、その場でシャッターに絵を描くなど作品もそれぞれ。炎天下の中、準備を行いました。大きなものでは、銀座通りのロータリーに設置した陶の作品や高さ2mを優に超える金属作品など、小さなものでは電力メーターのボックスの中にあるミニチュア作品といったものもあり、商店街を歩きながら作品を探す楽しみもあります。設置に際して、展示場所を提供してくださったお店の方々にもご協力いただき、学生との交流も生まれ、そのこと自体とても意味のある展示となりました。お店の方々をはじめ、設置の様子を眺める近隣の方々や、あいち2022に訪れた方からも声をかけられたり写真を撮られたりと、注目度の高さもまずまず。一般の方から作品について感想をいただけるのもこうした野外展示の魅力であり、非常に良い経験になるのではないかと思われます。
一宮駅前のアパホテル(尾張一宮駅前)ロビー、レストラン「アンシエーヌ」では、印刷表現を拡める活動をする「Print for Sale」が、卒業生と学生の作品を展示、販売しています。ロビーでは、グッズやヴィジュアルデザインコースの学生によるTシャツを販売、レストランでは版画作品、ファブリックパネルを展示しています。
国際芸術祭「あいち2022」パートナーシップ事業の「いちのみや芸術商店街」にはこのほか、テキスタイルデザインコースの展示、また、10月には音楽領域の演奏会と盛りだくさんの内容です。一宮へお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。