認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ「かたち遊び こどもと共育」を実施

 2021年10月28日、29日の2日間、本学グループの認定こども園 森のくまっこにて、人間発達学部 非常勤講師の荒木まさかず先生によるワークショップ「かたち遊び こどもと共育」が開催されました。荒木先生は10年ほど前から、もの作りや造形、絵画、デザインなどを通して親や先生ができるだけ子どもに干渉せず自由に制作を行い、何事にも自発的に取り組み自分自身を好きになる子どもを育てたいと「こどもデザイン室」という活動に取り組んでいます。荒木先生は、本学スペースデザインコースのOBであり、デザイン学部非常勤講師を務める中で小学校の机や椅子などの廃材を活用する「Re∓design project」を行うなど、モノとヒトをつなげ豊かにする活動を行っています。こどもデザイン室も、子どもがモノと自由に触れ合うことで、自由に自分を表現できるようにしようというもので、その活動の一環として今回のワークショップが行われました。

 今回のかたちは球で、風船を使った遊びと風船を絵筆の代わりにして絵を描くというワークショップです。ワークショップに先立ち、9月に教職員向けのレクチャーが行われ、準備を整えて当日を迎えました。絵の具がこぼれてもいいように、絵の具を使う場所はブルーシートで広く養生、子どもたちにもあらかじめ汚れてもいい服装と替えの服の準備もお願いしました。
 子どもたちが遊戯室に集まると、あいさつもそこそこに大きな風船が登場。好きに遊んでいいということで、子どもたちはビーチボールで遊ぶようにさっそく大きな風船で大はしゃぎ。遊びに夢中になっているところで、今度はヨーヨー風船のサイズの小さな風船が大量に登場。併せてうちわが配られ、あおいで風を送ってみたり、金魚すくいのようにうちわに載せて運んだり、と新たな遊びに促されます。さらに、今度は小さな風船を割って遊んで、散らかったゴムをみんなでかたづけて……と、子どもが飽きるまでの短い時間で次々と遊びのルールが変わっていきます。じつは、ここまでは下準備。このあと、風船を使って絵を描くことなりますが、それまでに風船を使った遊びを子どもたちに存分に体験させることで、子どもたちは自然に集中して制作に向かうようになります。さんざん遊んだあと、満を持して、水の入った小さな風船を子どもたちに見せます。水が入っているので大事に扱うように子どもたちに説明。事前に存分に風船を割って遊んであるので子どもたちも素直に受け入れ、いよいよ屋外の制作の場へと移動します。

 ブルーシートで養生された園庭には、長さ3メートルほどのスロープが作られています。そこに紙を貼り、絵の具を着けた風船を転がしアクション・ペインティングさながらに、遊びながら絵を制作していきます。水風船が一つずつ子どもたちに配られ、好きな色の絵の具を着けるとコロコロとスロープで転がします。子どもたちは、絵の具とスロープの間を何度も行ったり来たりしながら、模様を描いていきます。はじめは単色だった絵の具も好きなように混ぜ、だんだんと複雑な色合いの絵ができあがっていきました。 全員で作った大きな絵が完成すると、今度は小さな紙にそれぞれの作品を作ります。画用紙が配られると、子どもたちは好きな絵の具を手に取り風船を転がし、自分だけの絵を制作していきます。ここまでに存分に身体を使って遊んできたからか、自分の作品にしっかりと集中する子どもたちの様子が印象的。ここでも単色からはじまり徐々に色を加え混ぜ合わせ、色とりどりの作品が完成しました。
 絵が完成したら、最後は水風船を園庭に放り投げて割っておしまい。遊戯室で風船割りをして遊んだときと同じように、ちぎれたゴムを拾って終了となりました。
 子どもを飽きさせないための工夫がしっかりと作り込まれていて、園長はじめ先生方からも感心する声が聞かれました。準備も入念で、子どもたちの行動をいっさい規制しないでいて作品づくりに向かわせる方法も、森のくまっこの「遊び通して学び、生きる力を身につける」という方針にぴったりと適うもの。なにより、子どもたちのはつらつとした笑顔が印象的でした。
 今回のワークショップは球を使った混色活動でしたが、さらに11月に線の造形活動、来年1月には点・線・面の絵画活動、2月に展覧会を開催する予定となっています。どんな作品が生まれてくるのか、ワークショップの内容と併せて非常に楽しみです。