工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト KOUGEI EXPO IN AICHIに出展

 本学デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)は、今年度「工芸EXPOプロジェクト」として愛知県の伝統産業である「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」とコラボレーションし作品作りを進めてきました。そして完成した作品を、「KOUGEI EXPO IN AICHI」(第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)にて発表、展示しました。

 KOUGEI EXPO IN AICHIは国内最大級の伝統的工芸品の祭典で、2021年11月27日(土)~29日(月)の3日間、愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催。全国から伝統的工芸品が集結し、展示・販売や体験教室などが行われました。その会場に、愛知県下の芸術系大学が伝統工芸とコラボレーションする学生コラボ展スペースが設けられ、本学、愛知県立芸術大学、名古屋学芸大学、国際ファッション専門職大学の4校が出展しました。本学のブースは、円形のスペースに暖簾をイメージしたテキスタイル作品が吊され、ブース全体がインスタレーション作品となっているユニークなものとなりました。展示のテーマは「映える」ですが、文字通り明るく映える展示となり多くの人の関心を惹きました。
 工芸の技術に求道的な他の展示にくらべ、技術は未熟ながらも領域をクロスオーバーする作品は工芸の可能性を広げるように感じさせ、学生コラボ展のみならず会場全体に彩りを添えるものになりました。また、本学が取り組んでいる領域横断やボーダーレスを感じさせるものでもあり、まさに本学の今を表している展示のようにも感じました。展示は、工芸分野の3コースの作品に加え、案内パネルをヴィジュアルデザインコースの学生が制作、後述するプロモーションムービーも加え、たくさんの領域がかかわるプロジェクトとなりました。伝統技術を踏まえつつも自由な発想で制作された作品は、若い感性のみずみずしさや因習に捕らわれないような自由さがあり、訪れたお客さまにも充分に伝わったのではないかと思われます。学生らも、作品について説明したパンフレットを用意し来場したお客さんと交流するなど貴重な経験を楽しみました。
 今回のプロジェクトでお世話になった愛知県職員 伝統工芸担当の方にもバラエティ豊かな本学のブースを評価いただき、プロジェクトに携わった扇千花教授、米山和子教授、中田ナオト准教授からは笑みがこぼれ、安堵した様子が窺えました。また、会場に豆絞りの反物を提供していただいた張正さん、制作でお世話になった七宝焼きアートヴィレッジ 小林弘昌館長にもブースにお越しいただき、今回のプロジェクトが地域の伝統産業と本学との信頼関係で成り立っているということを改めて感じさせました。

 28日の日曜日には、会場のメインステージで本学のプロモーションムービーが上映され、学生らが映画監督の堤幸彦氏とトークショーを行うイベントがあり、作品を制作した学生がステージにあがりました。プロモーションムービーは、先端メディア表現コースの学生が作品の制作過程を5分程度にまとめたもので、サウンドメディア・コンポジションコースの学生が制作した音楽をのせた映像。その映像制作の学生も含めステージにあがり、堤監督とのトークとなりました。緊張しつつも自分の作品について語る貴重な機会を楽しみました。
 KOUGEI EXPOという晴れやかな舞台で多くのお客さまに作品を見ていただく経験をしたことや、このプロジェクトを通して学生同士の、そして学生と伝統工芸の領域を越えたつながりが生まれたことなど、非常に有意義なプロジェクトになったのではないかと思われます。