展覧会「Street Capturing in Nagoya 藤幡正樹×名古屋芸術大学」開催

 名古屋市 丸の内のアートラボあいちにて、先端メディア表現コース 特別客員教授 藤幡正樹氏と本学 先端メディア表現コースの展覧会「Street Capturing in Nagoya 藤幡正樹×名古屋芸術大学」が開催されています。藤幡氏は、80年代からコンピュータグラフィックスやアニメーションの制作、3Dプリンターが普及する以前から樹脂を使ったコンピュータ彫刻を発表するなどメディア・アートの第一人者。デジタル技術の発展とともにさまざまな表現の可能性を追求しています。独自の哲学とときにユーモアあふれる作品は、1996年のアルスエレクトロニカでゴールデンニカ(最優秀賞)の受賞をはじめ、日本のみならず海外でも高く評価されています。今回は、特別講義だけでなくワークショップで共に作品を作り展覧会を開催できることになり、学生にとって非常に有意義な体験となりました。
 今回のワークショップでは、普段は意識することのない街の中にあるさまざまな事物を、AR技術を用いてCapture(刈り取る)ことで、街や事物と自分との関係性を再考するという内容。実際に採取した物とその場を記録した映像をタブレット端末で閲覧し、どのような関係性が見出せるか、展示しています。展示作品は、藤幡氏の過去の作品に加え名古屋の街で制作された新作、ワークショップに参加した学生の作品、先端メディア表現コース 竹内創 准教授、加藤良将 講師の作品も併せて展示しています。

 作品の制作は、2022年3月4日、5日の2日間のワークショップで行われました。ワークショップには、7名の学生、院生(郭文婭さん、鈴木朱音さん、武井夕夏さん、遠藤七海さん、野村諒華さん、平山亮太さん、山形篤輝さん)が参加。アートラボあいちを起点に名古屋の街へ出て、大津通り、外堀通り、久屋大通りといった近隣の場所から、それぞれが気になる物を取り上げて作品に仕上げました。植物の葉、枯れた枝、石、舗道の煉瓦、工事現場の廃物……、あらゆるものが取り上げられ作品となっています。「日常は対象への無意識に満ちている。しかし、目的意識もって対象を見つめれば見方が変容する」という説明の言葉通り、自身と街と街にある事物との普段は意識しない関係性を意識することになります。対象となった物は、制作者によって持ち帰られ(1度目のCapture)、その場を映像で撮影(2度目のCapture)、鑑賞者がタブレット端末で作品を見ることで3重にCaptureされることになります。また、これらの事物が集められることで、名古屋という街の空気感が切り取られている(Captureされている)ことを感じます。
 作品の展示も藤幡氏に指導を受けながら学生らが設営し、作品の制作と展覧会の開催までを体験する有意義なものになりました。

 展覧会は、アートラボあいち、2022年3月11日(金)~3月27日(日)11時~19時 期間中の金・土・日・祝日のみオープン。ぜひご覧ください。
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ワークショップ

藤幡氏 制作風景

Street Capturing in Nagoya 藤幡正樹×名古屋芸術大学