舞台芸術領域 Cool-Xを招いて一緒に考えるグループワークを実施

 舞台芸術領域 エンターテインメントコンテンツ論は、芸術とエンターテインメインとの違いを考察し、さまざまなエンターテインメントコンテンツに触れ、業界への見識を深める講座。2022年6月7日の講義では、名古屋・大須を拠点に活動するダンス&ボーカルグループ Cool-Xをお招きし、Cool-Xと一緒に「今の時代にあった売り方を本人と一緒に考える」というグループワークを行いました。Cool-Xは、一昨年ラッパーのSEAMO氏とコラボレーションし、本学で「My Friend feat. SEAMO」のMVを撮影、音楽領域の学生が編曲、演奏に参加するなど、本学と馴染みの深いグループでもあります。今回の講義を楽しみに聴講生として受講する学生もおり、実際にダンス&ボーカルグループとして活動するアイドルから生の声を聞くことのできる貴重な機会となりました。

 講義のはじめ、アイスブレイクとして学生が自己紹介し、Cool-Xのメンバーに質問をしました。YouTubeの企画は誰が考えてる、アイドルでやりがいを感じたことは、ダンスの練習はどんなふうにやっている、などといったコンテンツ制作にまつわる質問から、アクセサリーは私物なんですか、どうしたらイケメンになれる、といった学生らしいユーモラスな質問が飛びだし、リラックスして講義がはじまりました。
 グループワークは、学生が4つのグループに分かれそこへCool-Xのメンバーが加わり、文字通り膝をつき合わせるような形で進められました。各グループ、Cool-Xの体験を聞きながらアイデアを出し合い、1時間ほどディスカッションしました。学生らは、自身の音楽の聴き方や動画視聴の行動、よくアクセスするメディアと区分の仕方など体験からアイデアを出し、簡単ながらもマーケティング戦略を立てる会議のようになりました。

 後半は、それぞれのグループが話し合った結果を発表しました。いずれのグループからもSNSを重視する戦略が打ち出され、TikTokではCool-Xを知ってもらうための動画を、YouTubeはファンにも応えられるメンバーのキャラクターを伝える内容の濃いコンテンツを、というようにメディアを使い分ける戦略が出されました。TikTokは、あるある動画やダンスなど得意分野をアピールできるバズる動画を、YouTubeではパフォーマンスと並行して本番のドキュメンタリー、料理やゲーム実況、おばけ屋敷など苦手克服のコンテンツなどメンバーの日常を交え親しみが湧くような動画にする。ほかにも、メンバーの仲の良さをアピールして親しみを感じさせる、彼女目線で近しく感じる動画、女性アイドルの楽曲をカバーする、メジャーな曲やアイドルをカバーしたり語ることで他のファンを引き込む、サムネイルをしっかり作って関心を惹く、などのアイデアも出されました。SNS以外でも、ダンスと歌を究める、オーディションに参加するといった基本的な事柄から、決めのポーズを作りファンが真似て写真を撮れるようにする、携帯できるグッズを作っていつも持ち歩けるようにする、ファンからの質問箱を設置して応えるなど、ファンとの交流に重きを置く戦略も出されました。
 また、教室(講義内)において、ZIP-FM「SUPER CAST」に生出演し、実際にラジオの裏側も覗けました。

 Cool-Xのプロデューサーでもある油布賢一 非常勤講師は、講評として、Cool-Xのメインのファン層は25歳~35歳が多く、コアターゲットにSNSで発信力のある10代や20代前半が欲しい、そうした意味でSNSを活用した戦略は理にかなっており、今回の結果を実際に役立たせたいとコメントしました。最後に、Cool-Xから学生全員にCDのプレゼントがあり、打ち解けた様子でサインを求める学生らと交流し和やかな雰囲気で講義は終了となりました。