ポップス・ロック&パフォーマンスコース ケイコ・リーによるボーカル特別公開講座を実施

 2022年7月14日、東キャンパス2号館 大アンサンブル室にて、特別客員教授 Keiko Lee(ケイコ・リー)先生による、特別公開講座を行いました。今回の講座では、ポップス・ロック&パフォーマンスコース、音楽総合コースでボーカリストを目指す、2年生 田代桃子さん、3年生 若菜未沙さん、4年生 松本佳恵さんの3人が、ケイコ・リー先生にレッスンを受ける内容です。演奏に、ギター 渡邉規夫 教授、ピアノには名古屋音楽大学ジャズ科OBでジャズピアニストとして活躍する平手裕紀さんを迎え、本番ライブさながらに行われました。一般の方も聴講できる公開講座とあって、学生にとってはレッスンといえどもライブのステージに立つような貴重な経験となりました。

 3名の学生はそれぞれ1曲ずつ歌を披露、その後、気になる部分をアドバイス、修正していく流れです。
 最初は2年生の田代桃子さん、キャロル・キングの「It's Too Late」を歌います。田代さんは、以前からゴスペルも歌っているとのことですが、ゴスペルからイメージするよりもずっと澄んだ声が魅力的です。レッスンでは、カウントの取り方からリズム感について指摘。3人共に共通することですが、音符と音符のつながりをしっかりと認識しておらず、もっと連続して捉えることでリズム感が生まれ、それがグルーブを作っていくと説明します。テンポをゆっくりにして、音符とリズムを意識しながら丁寧に歌うとたしかに違いを感じます。リズムができてきたところでアーティキュレーションとして、声の強弱やアクセントを入れ表情を付けて行きます。“コブシ”として入れるブルーノートの場所などを修正しました。15分ほどのレッスンですが、ずっと叙情的に歌唱が変化しました。
 続いて、4年生の松本佳恵さんが、アリシア・キーズの2003年のヒット曲「If I ain't got you」を披露。難しい曲をしっとりと歌い上げました。レッスンでは、やはりリズムの取り方を中心に指導。テンポを落として音符のつながりを意識して練習し、テンポを戻して歌います。英語の発音でどうしても早口になってしまうパートなど、テンポを意識することでスムーズに流れるようになりました。
 3人目はの3年の若菜未沙さんは、グローヴァー・ワシントン Jr.、ビル・ウィザースの「Just the Two of Us」を披露。一度ビブラートを取ってそのまま歌わせ、のどを開く練習をします。キーを下げてテンポを落とし、低く太い声を出すようにして何度も歌います。かなり苦しそうな歌声でしたが、そのようにして重い声を出す練習も必要といいます。キーを元に戻すと、ゆったりと歌えるようになり、歌声もエモーショナルなものへとなりました。
 ケイコ・リー氏からは「短い時間でも大きく変化し素晴らしく成長したように感じます、ひとつのことを憶え、身体に入って自然にできるようになるまで毎日やっても半年や1年はかかるもの。でも、その積み重ねが大事で、自分も日々練習しています。がんばって練習して下さい」と学生らにエールを送りました。

 講義の最後に、平手裕紀さんのピアノとのデュオでセロニアス・モンクの「'Round Midnight」を披露。深く重い声の響きはさすがで、会場もうっとりと聴き惚れます。もう一曲、前向きな明るい曲をということで1965年のミュージカルの楽曲でスタンダードとなっている「On A Clear Day(You Can See Forever)」を歌い、特別公開講座は終了となりました。レッスンを受けた学生も、聴講に訪れた方々も音楽を楽しみ、大いに満足した公開講座となりました。

ギター 渡邉規夫教授

ピアノ 平手裕紀さん

ケイコ・リー 特別客員教授

2年生 田代桃子さん レッスン風景

4年生 松本佳恵さん レッスン風景

3年生 若菜未沙さん レッスン風景

ケイコ・リー氏 ライブ