スペースデザインコース Art & Design Center Eastで「ほんとこどもの家具」展、ワークショップを開催

 2022年7月15日~20日、Art & Design Center Eastでは、スペースデザインコース3年生による「ほんとこどもの家具」展を開催しました。19日(火)の午後には、クリエ幼稚園の園児を招いてワークショップも開催、午後のひとときを絵本と遊びで楽しみました。
 「ほんとこどもの家具」は、例年、スペースデザインコース3年生が取り組んでいる課題で、小さな子どもが本を身近に感じられるようにリビングや子ども部屋で使え、気軽に絵本を読んだりおもちゃを一緒に収納できたりするような本棚を考え、実際に制作するもの。昨年は、建築家の手塚貴晴さん、東京立川市のPLAY! PARKキュレーターの方にも作品を見ていただき、PLAY! PARKでも展示を行いました。今回も、PLAY! PARKでの展示が予定されており、学生らも奮起し作り込まれた力作が揃いました。制作の条件としてはステンレスパイプを使うことで、学生らは設計に合わせて、曲げや溶接、塗装を行い、家具を仕上げました。

 ワークショップは、あいにくの雨となりましたが、幼稚園を終えた子どもたちがお迎えのお母さんと一緒に続々と会場を訪れました。はじめに、絵本の読み聞かせを行いました。絵本は新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」と、それをもとに学生らが作ったオリジナル作品「でんでんむしのよろこび」。どちらも大型絵本として学生らがそれぞれのページの絵を描いたものです。じっと絵本に聞き入る子どもたちが印象的でした。
 読み聞かせのあとは、自由に家具に触れ、絵本を楽しみました。最初は遠慮気味にしていた子どもたちも、学生と一緒に遊び、大はしゃぎで楽しみました。いろいろと工夫を凝らした本棚には、それぞれに可動部分や遊べる要素が盛り込まれており、子どもたちは何度も動かしてみたり、乗ってみたりと身体全体で絵本と遊びを楽しみました。
 にわとりとひよこをかたどりタイヤを付けて絵本を運んだりかたづけたりできる家具を製作した吉川萌乃さんの作品に、設計の意図通りに自然と子どもたちが本をかたづけはじめる姿も見受けられ、家具が想定通りに使われていることを確認することもできました。吉川さんは「実際に子どもたちに使ってもらえて感激しました。こうなればいいなと想像して作っていますが、実際に子どもたちに見てもらうことはとても刺激になります」と笑顔で話しました。
 担当する西岡毅 講師は「コロナ感染はもちろん、重量のある作品もあるので怪我がおきないように気を付けていました。思っていた以上に長い時間子どもたちが遊んでくれて、少し気を揉みました。作品としては、PLAY! PARKを意識してか、課題が求めるよりも遊具としての要素が強いものもありました。子どもたちは喜んでくれましたが課題はあくまでも家具なので、その視点で判断したいと思います。Art & Design Center Eastでの展示は2度目ですが、子どもたちに来てもらえることは学生にとって良い刺激になっていると思います」とコメント。子どもたちにも学生にも、楽しさあふれる展示となりました。

制作された家具