テキスタイルデザインコースは、2025年6月7日(土)、8日(日)の二日間、第39回有松絞りまつりに販売ブースを設け、学生がデザインし染色した手ぬぐいを販売し、好評を博しました。
「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」として2009年から例年行われている産学連携事業で、有松絞りの技法を学び、手ぬぐいをブランドの商品と見立てブランドイメージに合わせて学生それぞれがデザインして制作します。制作した手ぬぐいは、有松絞りまつりに販売ブースを設けて出店、販売するための衣装や、包装、ショッパーなども考えて用意し、実際に来場者に販売するものです。今年度は「nAturE(ナチュレ)」と「LoColoré(ロコロレ)」の2つのブランドに分かれ、ひとり10本の手ぬぐいを制作しました。また、例年、染色の授業でお世話になる「張正」さんの店舗でも、板締め絞りの手ぬぐいを販売させていただきました。
それぞれのブランドのコンセプトについて、テキスタイルコース 4年生の影山ひかりさん(LoColoré)、枡田響さん(nAturE)に伺いました。
「LoColoréは、locoがスペイン語で夢中になるという意味、coloréはカラフルを意味し、その二つを合わせてブランドネームにしました。童話をモチーフにして、ヘンゼルとグレーテル、手ぶくろを買いに、つるの恩返し、北風と太陽、灰かぶり姫、アラジンと魔法のランプ、それぞれの世界観を表現しています。赤、黄、淡い紫、紺の4色の色も、ファンタジーな世界を連想し物語を感じさせるよう皆で選びました。日本の童話と海外の童話、どちらも表現する必要があるので苦労しました。アラジンと魔法のランプは、4色すべてを使っていて、すごくカラフルで、お客さんにもかわいい柄だとほめていただきました。実際に店頭に立ってみると、すごくたくさんのお客さんが来られて、びっくりしました。柄についていろいろ聞かれたり、何をモチーフにしてるのとたくさん質問され、すごく楽しく会話しながら販売ができました。開店した直後に、去年買った手ぬぐいを付けてくれているお客さんが来られ今年も買っていくわと、たくさん買ってくれた方もいて感激しました」(影山さん)。
「nAturEは、しぜん(natural)といやし(healing)と上品(elegant)をテーマに制作しています。ブランドロゴでは『A』と『E』が大きくなっていますが、3つのどの単語にも『A』と『E』が共通していて、その二つを強調してロゴデザインにしました。自然と癒やしと上品なので、控えめだけど控えめすぎない、柔らかい感じの配色にしました。さわやかな色合いとデザインで、こらから夏にはぴったりの涼しげな感じです。水色が評判良く、染めていない白い部分の多いデザインもさわやかな印象が強くて、それも好評でした。全体的にかわいらしい色味ですけど、意外と男性の方にも買っていただいて驚きました。実際に販売してみて、お客様と対話する、商品の説明だったり、使い方を説明したり、いろんな話をしながら販売するのが楽しいです」(枡田さん)。
どちらのブランドも、販売するコスチュームにも力を入れています。「LoColoré」はそれぞれが染めた手ぬぐいをネクタイに、「nAturE」は手ぬぐいを使ってベストを制作しました。「お客さんから、どうやって作ってるの、手ぬぐい何枚使ってるの?とか、カバンを作りたいんだけど手ぬぐいのサイズを教えてとか、たくさん聞かれました」(枡田さん)と反応は上々。「nAturE」は土曜日の午前中にほぼ完売、「LoColoré」も数枚を残す程度、張正さんの店舗でも日曜日には手ぬぐいを完売しました。帰国中のsuzusan クリエイティブディレクターの村瀬弘行さんも売れ行きを見て驚いた様子でした。
有松絞りまつりでは学生のほか、卒業生が運営するブランド、まり木綿が板締め絞りのワークショップを、また、A STORE HOUSE(旧山田薬局)では泉奈穂さんのブランド「samio」が出店し、こちらも人気を博していました。 学生たちからは「売れると楽しい!」という喜びの声が聞かれ、今年度のプロジェクトは大成功で幕を閉じました。