サステナブル芸術祭で作品を販売、ワークショップを開催
廃材から新たな価値を生み出す「サステナブルだぎゃあ~ズ!」

 2025年は「愛・地球博(愛知万博)」開催から20周年にあたり、会場となった愛・地球博記念公園では2025年3月25日から9月25日まで愛・地球博20祭が開催されました。20年の時を経て万博を知らない世代も増えるなか、改めて愛知万博を振り返り、その意義や成果を再認識するとともに、愛知を知り好きになってもらうことを目的に、さまざまな人々が集う“つながりの場”を創出する取り組みです。
 その一環として、2025年9月13日から25日に「サステナブル芸術祭」が開催されました。映画監督・堤幸彦さんの協力のもと、「地球を楽しむ」をキーワードに、映像やアート作品の展示、パフォーマンス、サステナブルな商品の販売など、多彩なコンテンツが展開され、半年間続いた「愛・地球博20祭」のフィナーレを飾るイベントとして大きな注目を集めました。

 テキスタイルデザインコースとメタル&ジュエリーデザインコースは、「サステナブル芸術祭」の一企画「サステナブルだぎゃあ~ズ!」に参加しました。再生可能な素材や廃材を活用し、アートやファッションアイテム、日用品を制作するクリエイターたちによる展示・販売マーケットが開かれ、学生たちもブースを出展しました。
 テキスタイルデザインコースは、有松絞りのB反や尾州産地の織物工場から出る端布を使い、卓上織り機でコースターを織るワークショップを実施。子どもたちは学生に手伝ってもらいながら糸を選び、熱心に制作に取り組んでいました。親子で一緒に作品づくりを楽しむ姿も見られ、和やかな雰囲気に包まれたワークショップとなりました。さらに学生が端布を使って手織りや組み紐で制作したアクセサリーも販売され、来場者からは「かわいい」「やさしい雰囲気でほっこりする」と好評を得ました。
 メタル&ジュエリーデザインコースは「SDGsのコンテンポラリージュエリー」をテーマに、廃材をアップサイクルして新たなジュエリーを生み出すワークショップを開催。コンテンポラリージュエリーは、貴金属や宝石など素材の価値に依存せず、制作者の創造性に価値を見いだすアート作品で、今回のワークショップでは不要になったボタンやビーズ、廃棄予定のペットボトルを素材として活用しました。
 同コース助手の岡島真怜さんは「多くの方に『コンテンポラリージュエリーって何だろう?』と興味を持っていただき、不要なものが新しいジュエリーとして価値を持つという発見を伝えられたのが嬉しかったです」と話します。ペットボトルのキャップを細かくカットし、モザイクやマーブル模様に仕上げたチップは「最初は素材だと気づかなかった」と来場者を驚かせました。制作に携わった4年生の三角明日香さんも「最近のアップサイクルの流行をヒントにしました。準備した甲斐がありました」と振り返ります。

 両コースのブースは連日賑わいを見せ、岡島さんは「たくさんの方が訪れてくださり、本当に盛況でした。廃材から美しいものが生まれる体験を通じて、サステナビリティやものづくりについて考えるきっかけになれば」と手応えを語りました。
 「サステナブル芸術祭」における本学の取り組みは、芸術を通じて“地球を楽しむ”ことの大切さを来場者に伝えるとともに、愛知万博の理念を未来へつなぐ一歩となりました。