【工芸リレー】テキスタイルデザインコース「素材展」を開催、素材と向き合い社会へつながる学び

 2026年7月17日(金)から22日(水)まで、西キャンパスA&DセンターWESTにて、「【工芸リレー】素材展 -テキスタイルデザインコース前期制作」が開催されました。
 あわせてNUA ART SHOPでは「工芸ショッピング!」も開催され、学生や卒業生による工芸作品の販売が行われました。

 「工芸リレー」は、工芸コース、テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコースが連携して行う展覧会です。
 今回はテキスタイルデザインコースが前期授業で取り組んだ成果を展示。2年生は羊毛のスピニングから織りまでを体験した作品や図案制作、浸染、フェルト作品、3年生は尾州産地との産学連携による帽子のデザイン、織物組織の応用、型染め作品などを展示しました。
 4年生は卒業制作へ向けたプレ展示として、それぞれが取り組むテーマを発表。さらにA&Dセンター ラウンジでは大学院生による研究成果も紹介されました。

 2年生のフェルト作品では、「被ること」を条件に、オノマトペから発想したユニークな帽子が並びました。羊毛の特性を生かしながら制作された作品には、それぞれの発想や素材への向き合い方が表れ、会場でもひときわ存在感を放っていました。作品制作を通して、学生たちは素材そのものと向き合う面白さを実感しています。
 2年生の小野亜門さんは、入学当初はカーデザインコースを志望していましたが、1年次にさまざまな分野を学ぶ中で進路を見つめ直しました。「最初はカーデザインコース志望でしたが、いろいろ学ぶ中で、自分がやりたいこととは少し違うと感じました。テキスタイルは服だけではなく素材そのものを扱うことを知り、いろいろなことにつながる面白さがあると思って選びました。テキスタイルは本当に幅広くて、まだ知らないことばかりです。でも、その中で自分の好きなものを見つけていくのが楽しいです」と素材と向き合いながら新たな表現を探る日々について語ってくれました。  同じく2年生の大島千空さんも1年次に複数のコースを体験したことが、テキスタイルデザインコースを選ぶきっかけになりました。「先生から『手で作ることが向いている』と言っていただいて、自分もその通りだと気づきました。フェルトの制作では柔らかい素材に触れながら形をつくることが本当に楽しくて、テキスタイルを選んで良かったと思っています。途中は大変でしたが、完成した時の達成感は大きく、いい作品ができたという満足感がありました」と、ものづくりを通して得られた充実感を話してくれました。

 また、2026年7月17日(金)には、3年生の講評会も行われ、扇千花教授、ばんばまさえ非常勤講師、堀みど里非常勤講師の3名が作品を講評し、学生一人ひとりが制作意図や技法について説明しました。
 講評では作品への評価だけでなく、これまで前期で取り組んできた課題を振り返りながら、自分が身につけた技術や知識を整理し、興味や関心のある素材、今後さらに深めていきたい表現について講師と対話を重ねました。
 学生たちは、自身の制作を客観的に見つめ直すことで、今後専門性をどのように深めていくかを考える貴重な機会となりました。学びの積み重ねを土台に、自らの表現を模索する学生たちの姿からは、それぞれが充実した学生生活を送りながら着実に成長している様子がうかがえました。

 4年生の展示では、卒業制作へ向けたプレ展示として、それぞれが研究テーマを形にし始めています。
 西川凛乃香さんは、「生命の生きている証」をテーマに制作を進めています。展示作品「蒼翠」では、木漏れ日を題材に白から黄色へと染めた経糸と、青から青緑、黄緑へと変化する緯糸を組み合わせ、生命の営みを組織織りで表現しています。西川さんは「高校でシルクスクリーンを体験したことがきっかけでしたが、素材や織り、染色を学ぶうちに、テキスタイルの世界がどんどん好きになりました。織物には機能性も含めて本当に幅広い可能性があることを知り、新しい世界に出会えたと思っています」と話し、卒業後も繊維関連企業への就職を目指しています。
 枡田響さんは、大好きないちごやスイーツに囲まれた甘く華やかな世界を制作しています。型染めによって制作したケーキやいちごにはビーズや装飾を施し、「かわいい」や「ときめき」があふれる空間づくりを目指しています。卒業制作では、この世界観をさらに広げ、「作品の中に入り込めるような空間をつくりたい」と構想しています。「プロダクトデザインに興味があったんですが、色をたくさん使えることに惹かれて、テキスタイルに入りました。私自身、色が好きなんですよ。作品の感じでいうと、パステルな色使いで作品を作りたいなと。実際に学んでみると、本当に毎日が楽しくて、テキスタイルに入って良かったと思っています」と振り返りました。

 会期中はNUA ART SHOPで「工芸ショッピング!」も同時開催されました。テキスタイルデザインコース、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースの学生や卒業生による作品が並び、来場者が作品を手に取りながら制作の背景についても知る貴重な機会となりました。
 素材を知り、技法を学び、自らの表現を育む「素材展」。そして、その作品を社会へ発信する「工芸ショッピング!」。制作から展示、販売までを経験することで、学生たちはものづくりの楽しさと、作品を通して人とつながる喜びを実感する機会となりました。

講評会

工芸ショッピング!