卒業制作優秀賞

ブライトン大学賞佳作

反復の振る舞い

メディアデザインコース

平山 亮太

メディアデザインコース 平山 亮太
 一宮市妙興寺の境内にある塔頭寺院のひとつ来薫院のご住職に学校へ来ていただき、座禅を組む様子を撮影した映像作品。撮影した場所で動画を上映することで、現場のアーカイブとしての機能も果たしています。「僕は無意識に意図せず同じ場所を歩き回る癖があって、メディアコミュニケーションデザインコースの櫃田先生と話をしているときに、この反復行動の擦れに気付かされました。自分の行動に近いような動作をリサーチした際、『経行(きんひん)』といって座禅と座禅の合間に禅堂の周りの同じ場所をぐるぐると歩き回る動作があることを知りました。縁があって来薫院のご住職を紹介してもらい、制作に携っていただきました」。
 靴を脱いで一段上がる作品スペースには落ち着いた雰囲気が漂い、座って映像を眺める人、映像と同じように歩いてみる人、スロープで遊ぶ小さな子と、さまざまに作品の世界に触れます。「自分の癖という私的な部分から始まり、ご住職とつながり作品になりましたが、やっぱり自分と作品はへその緒でつながっているような、そんな気持ちです。お客さんと話して気が付く発見もあり、教えられることがたくさんありました」。

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