加藤あん
芸術学部 芸術学科 デザイン領域 1年生
もうすぐ卒業。リベラルアーツコースの2期生になるんだよね。 ちょっと早いけど、4年間、どうだった?
やりたいことを本当にいろいろやらせてもらったな、と思います。入学した頃に、茂登山先生(茂登山清文 教授)に反抗するというか、食ってかかるというか、芸術教養ってどんな意味があるんですか、みたいなことを言って向かっていったことがあるんです。怒られるかなと思っていたのですが、さらっと受け流して、やってみればいいよ、みたいなことを言われて、それで力が抜けて、素直に自分のやりたいことをやってみようと思うようになりました。
そもそもどうしてリベラルアーツへ?
高校時代、美術部に所属していたんですけど、その頃から自分が作家になり絵を描くとか、何かを作るというよりは、裏方として芸術を支える役割に興味がありました。美術部内でも、芸大を目指して制作している部員と、そうではないけど美術が好きな部員とに分かれている感じで、私は後者のほうでした。 芸術を支える仕事となると学芸員やキュレーターですが、高校生だった私はフリーで活動するようなキュレーターのことをまだあまり知らなくて、現実的なのは美術館の学芸員かなあと考えて、学芸員資格が取れるということで芸術教養を選びました。
在学中で印象に残っていることは?
学芸員になりたいということで、だったら展覧会をやってみればという話になり、1年のときから展覧会を企画してやってみました。東キャンパスと西キャンパスの交流をもっと増やしたいと思っていましたし、学校とは別の外部のアーティストとつながることもいいだろうと考えました。高校時代の美術部の仲間や先輩からも私が支える側に興味があることを知られていて、そうしたつてで参加してくれる作家さんを紹介してもらいました。東キャンパス 9号館の教室などを使って3度、学外の作家さんのほか、西キャンパスの学生作品を展示する作品展も企画しました。もうひとつ展覧会をお願いしていましたが、作家さんの承諾が得られないうちに新型コロナが拡がってしまい、そのままになってしまっていてとても残念に思っています。
反響はどうだったの?
それが、終わってみると、自分はこれがやりたかったのかなあ、と考えるようになりました。ちょうどその頃、東キャンパスの交流テラスのプロジェクトにかかわりました。私は、自分がやっていた展覧会の企画から発展させて、東キャンパスにギャラリーを作る提案をしました。このプロジェクトがすごく楽しくて、いい経験になりました。リサーチして身近な問題の解決策を提案するような、こうした活動がとてもおもしろくて、やりがいを感じました。それで、学芸員よりも、もっと社会の問題に直接かかわるようなこうした活動もいいなと考えるようになりました。3年になった頃から新型コロナが広がり、自分のやってきたことに行き詰まりを感じていましたが、何もできなかった時期が、かえって自分を見つめ直す時期になり、結果としてはよかったかなあと思います。思っていた以上に大学でいろいろな経験ができて、視野が広がったと思うようになりました。
最後に、リベラルアーツってどんなコース?
コースの紹介パンフやWebサイトにも「何者にもなれる君へ」というのがありますが、本当にそうだなと思います。興味のあることや好きなこと、何でも受け入れてもらえるなあと。先生に言うのはどうかなと思うようなアイデアでも、とりあえず言ってみると否定されることはないですし、そういうコースですね。茂登山先生には本当にお世話になりました!