テキスタイルデザインコースでは、一宮市から依頼を受け尾州産地の魅力をアピールするファッション・アートイベント「BISHU FES.」に参加、関連イベントである「まちなかアート展示」で、一宮モーニングをテーマにオリジナルテキスタイルを制作し一宮市本町商店街に展示します。
プロジェクトは6月にスタート、参加する学生は織物で作品を制作するグループと編物(ニット)で制作するグループの2つに別れ、織物は中伝毛織株式会社、編物は宮田毛織工業株式会社にご協力いただき(どちらの企業にもテキスタイルコース卒業生が在籍、多くのアドバイスをいただきました)、打ち合わせを繰り返し、制作を行いました。
中伝毛織で制作した織物作品は、兼松暖奈さん「心に火の灯る間」、柴山茉莉奈さん「もーにんぐ・さんど」、内田純平さん「コーヒーからの進化」。宮田毛織の編物作品は、清水咲和さん「もぐっ」、川松紗彩さん「Yippee」、荒木望那さん「Olu Olu」。しっかりした厚みと手触りに深い色合いが重厚な織物作品、カラフルでポップなパターンから楽しさがストレートに伝わる編物作品、それぞれの異なったテイストも見どころになっています。
展示にあたり、テキスタイルデザインコースの扇千花教授に伺うと、大きな作品となるため大学で事前に何度も実際に作品を吊してみて見え方を確認してきたとのことですが、実際の展示となるとやはり現場での調整が必要となります。想定よりも風の影響が大きく布が翻り、布の末端の処理をやり直したり、中に入っている芯の長さをその場でカットするなど、微調整しながらの設営となりました。高所作業をしていただく作業員の方にも意図を説明して調整を繰り返します。長さ5mの大きな作品を思うように展示することの大変さを実感、非常に良い経験となりました。
作品をつり下げ、離れた場所から見ると、やはり近くで布を見るのとはまた違った印象を受けます。
展示された作品を見て、編物グループの3名は「思ったよりも柄が小さく感じました、でも、かわいくはなりましたね」(川松さん)、「みんなかわいくって統一感が出ました、宮田毛織でまとまりがある」(清水さん)、「宮田さんに作ってもらったからか、ポップで直接伝わる感じになりました」(荒木さん)と、いくらか印象の変化を感じつつも仕上がりに満足の様子。
織物グループは「思ってたとおりの仕上がりですが近くでも見て欲しいですね、もっとカッコ良さがわかる!」(内田さん)、「素材にこだわって制作したので、私も近くで見て欲しいですね。でもつして離れて見るとトーンの感じ出ていて、それはそれでカッコいいなと思います」(柴山さん)、「出来あがった生地に満足していますが、それ以上に企業の方に提案してすり合わせていったプロセスがすごく良かったと感じています」(兼松さん)と、ぜひ細部まで見て欲しいとコメント、また、企業とのコラボ作業で得た経験に感慨ひとしおです。
一宮市 産業振興課 鈴木専任課長からは「非常に良いですね! 黄色い作品(川松さん「Yippee」)にパッと目が行きました。反対側に回り込むとコーヒーをイメージされた深い色(内田さん「コーヒーからの進化」)が印象的です。“一宮モーニング”としっかり書かれていることも嬉しいです。非常に良いものを作っていただいてありがとうございます」と嬉しい言葉をいただきました。
産業振興課の佐藤さんは「作品の展示、ありがとうございます。本当に素敵な作品を観て感動しております」と述べ、「ぜひ、皆さんがこだわった点をお聞かせ下さい」と学生ひとりひとりから説明を受けていました。
一宮商工会議所 一宮モーニング協議会の西脇さんからは「作品を拝見した第一印象として、地域文化や食への理解が深く、温かさや親しみやすさが反映されており、地域の人々に共感を呼ぶ作品だと感じました。本町商店街の昇降バーに取り付けられることで強いインパクトを与え、一宮モーニングや尾州生地への関心を高めると確信しています。この素晴らしい作品は、学生たちの努力と情熱の結晶です。このプロジェクトに関わることができたことに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました」と感想をいただきました。
設営中、通りかかった近隣の方からも「かわいい、いつまで展示するの?」や「BISHU FES.が終わってからも残して欲しい」といった声が聞かれ反応は上々、手応えを感じました。
展示は「BISHU FES.」(2024年10月12、13日)に合わせ、10月1日(火)~13日(日)まで。ぜひ「BISHU FES.」と併せて一宮市本町商店街へお越し下さい。