卒業・修了制作展 優秀賞

北名古屋市教育委員会賞

画荘ヴィーナス賞

春の葬式

洋画コース

都築真由

洋画コース 都築真由
 「生と死」をテーマにした絵画とインスタレーションで構成された作品。手前にある骸骨、十字架のオブジェは現実世界、その奥に広がる絵画は彼岸を表す空想世界となっています。
 都築さんは幼い頃から独特の感覚を持ち合わせ、通常では見えないものを見たり感じたりし、時には辛い思いをしてきたといいます。そうした自身が感じている世界を、作品で表現しています。描かれている白い花は、キク科のノースポール(カンシロギク)で、花言葉は「輪廻転生」。モチーフとして登場する蝶と蛾は、彼岸と此岸を行き来するメッセンジャーと説明します。不気味にも見えるたたずまいの人物や動物、人体の一部なども描かれていますが、怖さを伝えるのではなく、自身が感じている生き方や死の受け止め方を表現しているといいます。死はすべてが無に帰す終わりではなく、ひとつの通過点と捉え、恐れるものではなく新たな形への移行とし、「死があるからこそ、今の人生をどう生きるかが大切になる」と作品に対する思いを語ります。
 制作にあたっては、表現したい事柄に対して技術が追いつかず、また、経験の少ない立体の制作など、アドバイスを受けながら試行錯誤を重ねたとのことです。

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