小さいながらも園庭には柿や枇杷などの果樹が植えられ、築山、丸太などあり、自然が感じられる。子どもたちは、裸足で泥だらけになり、元気に遊ぶ

たきこ幼児園 園長 武石協子

たきこ幼児園 園長

武石協子

 たきこ幼児園は「子どもの幸せと健やかな成長」を最優先に考え、見て・やって・教えて学ぶ体験を大切にしています。開園当初からモンテッソーリ教育を導入し、開園から7年目になり、やっと教具などが整ってきたところです。住宅街の中の小さな園ですので、なんとかして子どもたちに自然に触れさせたいと思い、園庭にみかんやびわ、柿など果樹を植え、年間を通して自然を感じられるようにしました。また、園庭には小さいながらも築山や丸太を配置し、裸足で遊ぶことができるようにし、あわせて毎日のリズム遊びで体力をつけ、頑張りのきく強い身体を育てています。園のまわりを1周するだけでへとへとになっていた子も毎日の活動の中でしっかりと歩けるようになっていきます。
 乳幼児期は虫や草、石ころなど小さなものに興味を示す敏感期です。バーチャルでなく、直接触れて体験することが大切な時期に、五感を洗練し、丈夫でしなやかな身体を作ることをベースに活動を自分で選び、手指を使い、繰り返し集中して目的を達成するという、モンテッソーリ教育を実践しています。子どもたちが思わず手に取り、やってみたくなる教具を先生たちが工夫して手作りしています。

モンテッソーリ教具がたくさん。しかし、そもそも教具には、0〜3歳向けのものが少なく、職員らにより手作りされているものも多い

子どもたちの作品の一部。いろいろな形が組み合わせてデザインされ、ステンドグラスのように着色されている。制作には長時間の集中が必要であることが一目でわかる

教具に倣って作られた世界地図。こちらもクオリティの高さに素直に驚く

社会福祉法人NUA たきこ幼児園

http://www.fukushi-nua.or.jp/takiko/

 たきこ幼児園は、平成26年4月1日に名古屋芸大グループ校として、乳幼児の保育と名古屋芸術大学及び名古屋芸術大学保育専門学校の保育者養成機関としての実習を目的として開園しました。保育専門学校のキャンパス内にはたきこ幼児園のほか、滝子幼稚園もあり、保育の専門学校、幼稚園、保育所が同じ敷地内にあるのは県内初です。ここでは、キャンパス内が一体となり乳幼児の保育及び教育に取り組んでいます。