卒業生の活躍

音楽領域

丹羽 夏望

音楽学部弦管打コース(現・音楽領域弦管打コース)を2015年に首席で卒業。理事長賞受賞。同大学院音楽研究科修了。学長賞受賞。大学同窓会よりゴールデンプライズ受賞。同大学主催のコンチェルトの夕べ、卒業演奏会、新人演奏会に出演。第15回ヤマハ管楽器新人演奏会、第85回読売新人演奏会に出演。クラリネットを竹内雅一氏に師事。

陸上自衛隊西部方面音楽隊 就職
「クラリネットを続けたい」という思いが今の自分をつくっている

「クラリネットを続けていきたい」。私はこの一心で進路を考えていました。自分が将来音楽の道に進むのではないかと感じていたのは、ピアノを習っていた小学生の頃。中学でクラリネットに出合ってからはさらに音楽にのめり込み、高校、大学と続けていきました。大学で取り組んだのは、毎週のレッスン、合奏の授業に向けての練習、たくさんの演奏会。ソロだけでなく、室内楽や吹奏楽、オーケストラなども経験し、まさに音楽漬けの日々でした。
今は陸上自衛隊西部方面音楽隊に所属し、演奏会や儀式、隊員の激励の場などで演奏を行っています。時には吹奏楽部の学生を対象に、パートごとにレッスンを行うこともある、幅の広い仕事です。もちろん有事に備えた野外での訓練や射撃訓練、体づくりなど、自衛官としての仕事もあるため、その分演奏をしているときには、人一倍楽しさを感じています。仕事として楽器の訓練をすることで、自分をレベルアップできるという部分が、音楽隊の大きな魅力だと思っています。
音楽隊の演奏は、年間80~120回。多くの演奏の場があることが特徴です。コンサートホールで演奏することもあれば、屋外のパレードで演奏することもあります。突発的に演奏する機会が発生することも多々あるため、いつでも演奏できるコンディションに整えておくことが重要です。音楽に「完璧」は存在しないので、常に追求していかなければなりません。その時々で自分のベストを尽くし、お客様から拍手を頂いたときには、なんともいえないやりがいと喜びを感じます。それこそが、音楽を続けていてよかったと心から思う瞬間です。学生時代に、自分が納得できるまで音楽を追求できる環境があったことが、今の充実した自分をつくっているのだと思います。これからは、お客様の心に響くような演奏のできるプレイヤーになれるよう、もっと腕を磨いていきたいです。

美術領域

水野 愛弓

名古屋芸大では美術学部絵画科日本画コース(現・美術領域日本画 コース)に所属し、卒業制作では屏風を制作。「絵を描く仕事に就きたい」という思いから鳴海製陶株式会社に入社し、洋食器デザイナーとしてパターンや絵の原画制作を行っている。2011年卒業。

鳴海製陶株式会社 就職
食器は使われて初めてデザインが完成する。

食器は使われる場所や文化、歴史と密接に結びついているため、そのモノ自体に存在理由が生じます。私はそういった環境で生まれたモノに興味があり、学生時代には日本画の中でも屏風や掛け軸に着目して制作していました。その経験を生かし、伊勢志摩の景色を下絵からデザインしたこともあります。また、平面ではなく立体である食器のデザインをするうえで、授業で学んだ構図力も生かされていると感じています。仕事で一番やりがいを感じるのは、現場の環境になじむ食器のデザインができたとき。現場で使われているところを見ると、この仕事に就いてよかったと感じます。幼い頃から好きだった「絵を描くこと」を仕事にできたのも、本当に幸せなことだと実感しています。これは、好きなことに熱中できる名古屋芸大の環境があったからこそ。これからも、「絵を描くこと」を自分の生活の一部にして、ずっと続けていけたらと思っています。

デザイン領域

寺島 佑紀

名古屋芸大ではデザイン学部デザイン学科テキスタイルデザイン コース(現・デザイン領域テキスタイルデザインコース)に所属し、有松絞や草木染で手づくりの作品を制作。現在はマツダ株式会社のCMFデザイナーとしてCX-3の初代特別仕様車と現行のCX-3の商品改良の内装を担当。2015年卒業。

マツダ株式会社 就職
大学時代から変わらない、色と素材へのこだわり

CMFとはColor, Material, Finish の頭文字。色と素材のデザイナーです。自分の選択したものが直接自動車に反映される、やりがいの大きな仕事をしています。大学時代は、テキスタイルデザインコースで有松絞や草木染に熱中していました。染めた色がとにかく綺麗で、自分の思い通りにならないところがおもしろかったです。染めの材料は、山で拾った栗や食堂でもらった玉ねぎの皮。京都まで染料を買いに行ったこともありました。自動車業界を知ったきっかけは、カーデザインコースの先生にすすめられて行った講演会。初めて「自動車のカラーデザイナー」という職業があることを知りました。そこから興味を持ちインターンに参加し、この業界に入ろうと決めました。
今は、CMFデザイナーとして自動車の内装の色と素材のデザイン、コーディネートをしています。この仕事はカスタマーのイメージを構築していく「プランニング」の領域も含んでいるのが特徴。カスタマー像をしっかりと捉えられるように心がけてやっているのは、感性を磨くことです。たとえば、様々な分野の雑誌を読んだり、美術館や展示会に行ったりと、いろいろなものを見て感性を磨き、カスタマーを想定したどんな商品づくりにも対応できるようにしています。
カーデザインの現場では、ひとりで製品化することはできません。アイデアをできるだけ早く具現化して、やりたいことを共有することが必須スキル。どんなにうまく説明できても、やりたいことが具現化されていないとGOサインは出ません。様々な工房を利用できることで、自分の作りたいものを具現化しやすい環境があった名古屋芸大。そこでの経験が、今の仕事に生きていると感じています。
現在は内装を担当することが多いですが、コンセプトからモデルまで自分のアイデアでできたらデザイナーとして最高だと思っています。また、少し余裕ができたらひとりで工房に篭って、大学時代にはまった染めの作品制作を、自由にやってみたいです。

子ども学科

髙島 大輔

名古屋芸大では教育学部子ども学科に所属し、幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得。2012年卒業。現在は幼稚園教諭とロックバンド「THE BOY MEETS GIRLS」のギターボーカルを両立している。2018年にはバンド初となるフルアルバム「HITCH HIKE」をリリース。ポップなサウンドとユニークな歌詞で音楽ファンを魅了し、様々なライブや音楽フェスにも出演中。

認定こども園 森のくまっこ(名古屋芸大グループ園) 就職
幼稚園の先生もミュージシャンも、 どちらも全力100%

ずっとなりたかった幼稚園の先生と、憧れていたミュージシャン。そのどちらも叶えたい。そんな僕の欲張りな夢が、叶いました。幼稚園教諭の免許取得を目指して入学した名古屋芸大。子ども学科に所属しながら音楽領域の学生と交流したり、先輩とバンドを組んで芸大祭で演奏したりと、まさに勉強と音楽活動どちらも充実した大学時代だったと思います。卒業後、園で働きだすと同時に、同じ学科の仲間と組んだバンドが、僕がボーカル・ギター・キーボードを担当する「THE BOY MEETS GIRLS(ザボーイミーツガールズ)」です。現在は幼稚園教諭として勤務しつつ、バンド活動を並行させています。子どもたちと向き合う中で日々感じているのは「子どもを信頼することの大切さ」。先生だからといって何でもしてあげるのではなく、本人が成長できるように自分自身で考えさせ、いざという時にサポートするのが自分の役目だと思っています。「誰も一人ぼっちにしない音楽」がボーイミーツのテーマ。メンバー4人とも子どもが好きだということ、他のバンドがやらないことをやろうとの思いから、2018年にはバンド史上初!「幼稚園・保育園ツアー」を開催しました。子どもを対象にライブをするとなると、「曲の振付をMCでわかりやすく伝える」「知らない曲でも楽しんでもらえるように工夫する」など気を付けなければいけないこともたくさんあります。しかし、自分たちの曲で子どもたちが「楽しい!」と感じ、夢中になって踊ってくれるのを見ると、たまらなく嬉しいです。好きなことを続けるのは、難しいことかもしれません。僕の場合は好きなことが2つありましたが、それらを大事にしてきたことで今の自分があると思っています。「幼稚園の先生」と「ミュージシャン」、どちらも100%全力で楽しめている今を嬉しく思います。将来は大きな規模で「子ども限定ライブ」をするのが夢です。子どもから大人まで楽しめる音楽を、これからもつくり続けていきます。

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