産官学連携プロジェクト

 本学は、大学・企業・政府や自治体等が協力しプロジェクトを行う「産学官連携」に積極的に取り組んでいます。
 これまで、多くの企業、自治体等とたくさんのコラボレーションプロジェクトを行ってきました。芸術が社会にもたらす意義や活力は広く認知されるようになり、ますます重要性が高まっています。一般大学とは異なり、芸術大学は「ゲイジュツのちから」を社会に提供していくことが大きな使命であり、また最大の特長だと考えています。この考えを踏まえ、地域や社会からの期待に応えるための専門部署「地域・社会連携部」を2020年に設置。こうした産学官の連携活動を通し、地域社会に貢献するとともに、学生が将来に向けてより多くの社会的な経験を積むことにもつなげています。地域・社会連携部が発足してからの2年間をプロジェクトを通して振り返ります。

地域・社会連携部長 田中 聰

地域・社会連携部長
田中 聰

 地域・社会連携部が発足して既に2年が経過しました。初年度はコロナ禍の真っ只中での部署立ち上げとなりましたが、今年に入り、コロナと向き合いながら社会活動を継続しようとする流れが定着しつつあります。コロナ禍以降、休止やオンライン実施に追い込まれていたものがリアルに行われるようになるなど、イベント等催事の実施についても活性化や露出の機運が顕著に高まっているように感じています。
 今後18歳人口が減少していく中、大学は単に教育機関に留まるのではなく、地域や社会に対して果たすべき役割や意義を見据えて、より存在感を高めていくことが求められています。 その為に地域・社会連携部では企業や自治体等、多彩な連携先と多くの事業や催事等の実施により、本学の社会的価値向上に努めています。

 但し、大型イベントや大きな事業の実施に関わることは勿論大事な事なのですが、一方で地元自治会のお祭りや子ども食堂のボランティア協力など、地域に根差した草の根的な地域貢献の積み重ねも、大学の社会的責任を果たし、その存在や価値を認めていただく上で非常に重要な活動だと思っています。

 またそうした学外からの連携事業のご依頼を頂くことは、参加していただく学生の皆さんにとっても経験値を積み、教育的価値が得られる貴重な機会です。本学は演奏やデザイン、美術を志すアーティストを育成する芸術大学です。これはあくまで個人的な考えですが、卒業後の進路として、一般企業等への就職は勿論ですが、芸大という立場において演奏家や芸術作家など、アーティストとして身を立てる道筋も示すことは非常に重要なことだと考えます。演奏や作品など、様々な「ゲイジュツのちから」によって社会に対して働きかけ、その対価を得る機会を創出することも地域・社会連携部の重要な役割です。社会との繋がりを通じて経験を積み、芸術の学びを通して人と社会の可能性を追究したり、様々なキャリアモデルとなる人と接することで自分の将来へと繋げていって欲しいですね。

世界コスプレサミット実行委員会

世界コスプレサミット

世界コスプレサミット

「世界コスプレサミット2022 」にて、「名古屋芸術大学 presents レッドカーペットセレモニー」、「声優アクティングコース Live performance 2022」が行われ、名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ、名古屋芸術大学特別編成合唱団の生演奏や、学生のステージが披露されました。またフォトパネルを制作し、多くのコスプレイヤーに撮影の背景として活用されました。

一宮市

いちのみや芸術商店街

いちのみや芸術商店街

 国際芸術祭「あいち2022」に合わせ、会場の一つとなっている一宮市にて、「いちのみや芸術商店街」の企画・運営に参加、作品の展示を行いました。テキスタイルデザインコース、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースの学生が制作した作品を一宮駅周辺や商店街に展示しました。

mozoワンダーシティ

森のがっこう

森のがっこう

 名古屋市西区 mozoワンダーシティでは、連携イベント「森のがっこう」を開催。建材や家具、紙の原料として生活に欠かせない「木」を通して、森林のことを考え、木を身近に感じる展示やワークショップなどを行いました。スペースデザインコースの学生が制作した家具を展示したり、デザイン領域の学生が受講する「デザイン・ワークショップ」の授業で提案されたさまざまなワークショップを開催し、多くの来場者に楽しんでいただきました。

公益社団法人 自動車技術会デザイン部門委員会

二輪デザイン公開講座

二輪デザイン公開講座

 公益社団法人自動車技術会 デザイン部門委員会が主催する「第10回 二輪デザイン公開講座」が、2022年9月1日(木)・2日(金)の2日間、本学カーデザインコースの協力で西キャンパスにて開催されました。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカーで活躍するデザイナーが講師となり、二輪デザインの開発過程を体験するワークショップや、各メーカーのデザイナーによる開発プロセスや二輪文化関する講演、公開講座出身OB座談会などが行われました。

古川美術館・分館爲三郎記念館

ミュージアムグッズ提案

ミュージアムグッズ提案

 テキスタイルデザインコースとメタル&ジュエリーデザインコースによる「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」は、デザイン・美術を工芸の観点から地域の産業と人をつなげ生活を豊かにするものを考え制作するという講義で、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館のミュージアムショップで販売するグッズのデザインプロデュースを行いました。提案したアイデアを記したボードと試作品を展示したほか、作品の一部はキーホルダーやシールとして商品化、ミュージアムショップで販売されています。

鯱バス

デジタルツーリズム

デジタルツーリズム

 鯱バス株式会社と先端メディア表現コースの共同研究として、「withコロナ時代の新" 旅体験"モデル 」のコンテンツ制作を行いました。コロナ禍で落ち込む観光業の回復と新しい観光のあり方を模索し、東海地区の特性を生かした産業観光の魅力、またそこで働く人にもスポットを当て、新たな体験価値を提供できるデジタルツーリズムの創出をすることを目的に、映像とネットワークを使ったインタラクティブなコンテンツを制作しました。

ららぽーと名古屋みなとアクルス

安全祈願お守りワークショップ

安全祈願お守りワークショップ

「おとうさんの安全をいのって作る、お守りワークショップ」と題して、コミュニケーションアートコースの学生が手作りしたお守り袋を準備し、思い思いのメッセージやデコレーションを凝らしたお守りづくりを手伝いました。

ジェイアール名古屋タカシマヤ

絵本の読み聞かせ&ワークショップ

絵本の読み聞かせ&ワークショップ

 教育学部は絵本の読み聞かせ、歌や手遊びを、アートクリエイターコースは木の葉のキーホルダーやチャームを作るワークショップを子どもたちと楽しみました。同時に、日本画コース、洋画コース、アートクリエイターコースによる「リトル・ミュージアム」と題した作品展示も行いました。

蔦kids大学(蔦屋書店)

おはなし会&ステンシルbookカバー作り

おはなし会&ステンシルbookカバー作り

 教育学部のボランティアグループ「みつば」による、絵本の読み聞かせとパネルシアター、手あそびや歌あそびを参加した子どもたちと楽しんだ後、、ステンシルブックカバーを作りました。

中日新聞

2022年参院選向けコンテンツ制作

2022年参院選向けコンテンツ制作

 メディアコミュニケーションデザインコースでは、中日新聞デジタル編集部から参院選特設サイトのためのコンテンツ制作の依頼を受け、投票を啓発するために2022年参院選向けのポスターと中日新聞参院選特設サイト用のタイトルロゴとバナーを制作しました。

株式会社菊谷生進堂

お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発

お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発

「香源プロジェクト」と題し、お香文化の歴史や伝統を踏まえつつ、現代の生活にマッチした香源ブランドの新商品コンセプトを提案するプロジェクトにインダストリアル&セラミックデザインコースが取り組みました。

北名古屋市

フードドライブ事業  ポスター制作

フードドライブ事業 ポスター制作

 賞味期限の切れていない食品を回収し、子ども食堂など食糧支援につなげる「フードドライブ事業」のポスターをデザイン領域の学生が制作し、食品の回収を行うボランティアへ参加したほか、食品廃棄に関するデータのパネルも制作・展示し、食品ロスに関する啓蒙活動が行われました。

岐阜県池田町・㈱OKB総研

池田町レンタサイクル モデルコースマップ制作

池田町レンタサイクル モデルコースマップ制作

 岐阜県池田町、地域創生のコーディネート事業を行う(株)OKB 総研とデザイン領域がコラボレーションし、「池田・揖斐川レンタサイクル」を活用したモデルコースマップを制作しました。

北名古屋市

ザ・ベストテンコンサート

ザ・ベストテンコンサート

 1970年代から90年代の日本の歌謡曲を中心とした往年のヒット曲を、音楽領域の学生と卒業生が演奏し、歌とダンスでお届けするイベントです。これまでに北名古屋市や一宮市、小牧市、津島市、高山市等で開催し、多くの皆様に親しまれています。