「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション

 美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)、デザイン領域テキスタイルデザインコースは、昨年に引き続き、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボレーションし「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」と銘打ち、数寄屋作りの分館 爲三郎記念館から着想を得た作品を展示します。展示期間は2024年2月からとなりますが、2023年11月10日(金)には、展示にあたり学生がそれぞれどんな作品を制作するかをプレゼンテーションをしました。古川美術館からは、館長代理兼事務局長 伊藤洋介さん、学芸員 早川祥子さんにお越しいただき、制作について確認、ご意見をいただきました。

 今年度は、総勢47名の参加となり、それぞれが制作する作品についてと想定する展示場所や展示方法について説明しました。昨年度の展示や爲三郎記念館の見取り図、展示するために用意できる展示台などはあらかじめ説明されており、また、学生によっては実際に爲三郎記念館を訪れてイメージを膨らませて作品を考え、具体的なプレゼンとなりました。爲三郎記念館の茶室や洋風の桜の間からインスピレーションを得たもの、窓からの庭を借景にしたもの、欄間のデザインをモチーフにするものなど、さまざまな構想が発表されました。印象的なのは、展示台を使うようなオブジェの展示が少なく、インスタレーション的に空間全体を想定する展示が目立ったこと。また、テキスタイルコースでは、友禅染めとつづれ織りの2作品を提案しどちらかを制作するとのことで、壁に掛けて見せる作品が多くなっています。学生どおし事前に調整したわけではないので、同じ展示場所を想定した作品もあり、今後の調整も必要です。プレゼンテーションを聞きながら学芸員の早川さんは、作品をどう見せるのが効果的なのかを想像しているようで、悩ましくも楽しそうにプレゼンテーションを聞いている様子でした。

 早川さんからは「テキスタイルは壁に掛ける作品が多く、爲三郎記念館では場所が限られてしまい、どこにどう掛けるかが難しいと感じました。縁側に置くことも面白いかもと思いますが、どう実現できるか考えたいと思います。また、ひとつの部屋を使ったインスタレーションを希望される方が何名かいらっしゃいますが、これも考えなきゃいけないことです。展示したときにそれぞれが独立しつつもお互いが引き立てあえるような、そんな展示を考えていきたいです。作品数が多いですが、散漫にならないように気を付けたいと思います」と講評をいただきました。
 伊藤さんからは「どんどん要望をいただいてそれをまとめていくのが学芸員の仕事ですので、ぜひ熱い思いをしっかりと主張して下さい。数寄屋建築というのは主の遊び心にどこまで気付いてもらえるかが醍醐味ですとお客さんには伝えていますが、今日は学生さんたちの面白い視点を見せていただきました。私も気が付かなかったところにも気付き、それをどう作品に昇華するか、非常に期待が高まりました。楽しみにしています」との言葉をいただきました。
 最後に中田ナオト准教授から、3つのコースが一緒に展示することでさまざまな視点と素材、考え方を体験すること、爲三郎記念館というギャラリーやホワイトキューブで展示するのとは異なった場所を経験すること、プロの学芸員の方と一緒に展覧会にかかわり全体を作っていくこと、と3つの点を挙げ貴重な経験になるので積極的に取り組んで欲しいと言葉があり、今回のプレゼンテーションは終了となりました。

 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」は、2024年2月6日(火)~18日(日)の開催となります。ご期待下さい。