美術領域│アートクリエイターコース
昨年、名古屋市港区にオープンした大型ショッピングセンター、ららぽーと名古屋みなとアクスル。そこに出店する「蔦屋書店」のクリスマスデコレーションを、アートクリエイターコースの有志の学生が手がけました。蔦屋書店は、DVDレンタルのTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの書店で、単なる本屋さんではなく、カフェが併設され、本以外にもさまざまな展示や雑貨の販売などもあり、家族が一緒に楽しめるモトとコト、時間を提供するというコンセプトのライフスタイル提案型の書店です。このプロジェクトでは、蔦屋書店からの依頼でクリスマスの装飾を制作しました。お店のコンセプトに沿って装飾を考えて提案し、サンタクロースがカフェでくつろいでいるところに、本棚からたくさんの動物が顔を出し、店内のあちこちに小さな雪だるまが隠れていたり、動物の足跡があったりと、楽しいものになりました。お店からも、「写真に撮っていくお客様がたくさんいらっしゃいます。特にサンタクロースと一緒にツーショットを撮るなど楽しんでもらっています。おそるおそるサンタクロースの顔をのぞき込むお子さんの姿は毎日のように見られます」とうれしい声が聞かれました。
担当教員
アートクリエイターコース 松岡 徹 准教授
9月に蔦屋書店からお話をいただきプロジェクトが始まりました。夏休み中でしたが、学校へ来ている学生に声をかけ、その学生らと一緒に現地を確かめてプランを出しました。前期を終えたばかりの1年生にはすこし荷が重いと考え、今回は2年生以上に限定しました。15名ほどの学生が参加してくれました。
店舗では、あまり大きなものを飾るスペースがなく、つり下げも難しいと制約がいくつかありました。学生たちは、条件の中、窓や本棚、店内の照明や床など、さまざまなものへ装飾を施すアイデアを数多く考えました。表現としても、最初にあまりにクリスマスっぽいものよりも動物たちが本棚から飛び出しているというアイデアがあり、それを軸にサンタクロースがカフェでくつろいでいたら面白い、とたくさんのアイデアが出されました。サンタクロースが道に迷ってカフェで地図を広げているといったことも考えましたが、最終的には道に迷っているのかもしれないし、仕事をサボっているのかもしれないと、見る人に想像させる余地を残すようなものになりました。
蔦屋書店では、学生たちが出したアイデアをとても喜んでくださり、通常のディスプレーの会社ではこのようなアイデアはなかなか出ないとお褒めの言葉をいただきました。
12月初旬には完成させ搬入する必要があり、制作には苦労しました。動物の絵は、手描きではなく版画を作り、それをスキャンして拡大するなどして制作しました。また、プリントやカッティングシートは、アートクリエイターコースで制作したデータをもとに、デザイン領域で手直しして出力してもらいました。
造形に限らないと思いますが、思い入れもなく気持ちを入れずに制作すると、形の端々にそうしたものが表れてしまいます。そうならないよう、学生にはすこし緊張感を持ってもらうよう気を使いました。制作経験の少ない学生にとっては大変だったと思いますが、院生も加わり、学年を超えての制作はすごく刺激になったと思いますし、よい経験になったのではないかと思います。
こうした外部とのプロジェクトは、制約がありますし、相手もあります。大学の中だけで制作するのとは異なり、自分が納得するというだけでは成立しません。自分を表現するということに加え、社会で必要とされるクリエイターになっていって欲しい、こうした考えを具体的に実際の現場を通して伝えることができます。とても貴重な機会であり、学生たちにも理解しやすいのではないかと思っています。
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