名古屋芸大グループ通信

キャリアニュース

ハイパワー講座座談会を開催

2020年9月26日（土）、西キャンパス B棟大講義室にて、特別講義「ハイパワー講座座談会～これからの時代のキャリアについて考える～」を実施しました。この特別講義は、広い視野でのキャリア形成を目的とした「キャリア3」の授業をベースにしたものです。キャリア3の講義では、社会の第一線で活躍する弁護士や社会保険労務士といった実務専門家、企業の管理職、経営コンサルタントなどの方々をお招きし、リレー形式でキャリアについて学ぶ内容でした。今回の特別講義では、キャリア3で講義していただいた先生方、さらに本学山田芳樹学務部長を交えての座談会となりました。講義はビデオで撮影を行っており、オンラインで観ることもできます。
講座は、キャリアセンター長中川直毅教授の基調講演から始まりました。コロナ禍で今年の就職活動は厳しい状況であり、さらに来年も今年同様、厳しくなることが予想されている。しかし、コロナ禍に悲観するばかりでなく、基本に立ち返って自分の力を伸ばしていって欲しいと示唆を与えます。本学の学生には、ものごとに取り組みやりこなす忍耐力とそれを続けていく継続する力があり、それは他の一般大学の学生よりも強いものだと言えます。そうした、専門を学ぶことで培われた力に加え、実社会で働いていくためのコミュニケーション力や法律、社会のルールなどのビジネス力を身につけ、幅広い価値観を持って力を伸ばし、逆境の中でも立ち向かっていける力をつけて欲しいと激励しました。景気は悪いときばかりではなく、状況が整ってから自分がやりたいことを始めるのでも遅くはない。専門とビジネス力という2つの力を身につけて、幅広くものごとを捉えていって欲しいと締めくくりました。
座談会は、中川教授がファシリテーターとなり、学生から質問を受け、それに講師陣が応える形で進められました。今回の特別講義の受講者には、キャリア3の講座を受講していない学生も含まれているため、パネラーがそれぞれにキャリア3ではどんな内容の講座を行ったか説明しながら自己紹介をしました。弁護士の丸山紳氏は、日常生活上の法的リスクを学ぶということで、身近に起きることを題材に、法律は実社会と深く関係があることを知り、興味を持ってもらうための講座。経営コンサルタントの高橋克典氏は、これまでの知識中心だった時代から近年では感性や創造性が重要視されるようになった。芸大生が持つ能力を上手く発揮できるようになって欲しいと述べました。（株）日立ソリューションズの伊藤直子氏は、学生時代は男女の格差や不平等などを感じることはないかもしれないがと前置きをしながら、ジェンダーギャップ指数などのデータを紹介し、社会に出る前から知っておくべき事柄について述べ、キャリアについて考える上でロールモデル（具体的な行動や考え方の模範となる人物）を複数持つようにして、状況に合わせてさまざまな考え方をするのが良いとアドバイスしました。社会保険労務士の田畑啓史氏は、労働環境をよく知る立場から、女性が働く場合、出産や育児などライフイベントの負担も大きく、男性よりもキャリアを形成していくことの困難さがある。そのときの状況に合わせ、できる範囲で対応していくしかないのが現状で、上手くやっていって欲しいと激励しました。山田学務部長からは、就職については3年生の時期が重要であり、自主性を育むことで社会人としての基礎力が養われると説明しました。
学生からは、自分は一度社会へ出てから大学に入学したが、年齢の遅れは他の学生に対しハンディキャップを感じ、就職に影響するのではないか心配といった相談や、自分の人生の転機について、自分で何かを始めることが苦手で踏み出すことが怖いと感じるが、そういう気持ちになったことや後悔したことは？、なりたい職業が思いつかないなどなど、数多くの質問が投げかけられました。それらの質問に対しパネラーからは、自身も順風満帆にキャリアを積み上げてきてわけではないことが語られ、学生らも大いに刺激を受けたように見受けられました。学んだことが必ず役立つとは言えないかもしれないがマイナスには絶対にならない、パネラー自身も不安を感じているし、誰もが不安を感じながら生きているのが現代であり、目の前のことに取り組んでいくことが実は確実なことであるなど、自身の経験を交えた回答に学生らは聴き入っていました。自分のやってきたことに自信を持ち今後もやっていって欲しいとエールが送られ、講座は終了となりました。