OB・OGインタビュー

takejuneさん

デザイン学部デザイン学科造形実験コース
(現 芸術学部芸術学科デザイン領域メディアデザインコース)卒業
元 株式会社Fablic取締役共同創業者
日本初のフリマアプリ「フリル(現 ラクマ)」をリリース

原点は、大学で出合った双方向コミュニケーションの魅力

今、何をしていますか?

インターネット関係の会社でデザイナーをやってきて、現在は一般の人が使うウェブサービスやスマートフォンアプリ、そういうものを企画運営する会社を経営しています。

卒業してからはどんな仕事を?

2007年に卒業し、当時ECナビという会社(現 株式会社VOYAGE GROUP)に新卒で就職。総合職としての採用しかなく、総合職で入社し、その後デザインの仕事をするようになりました。当時は紙媒体が主流で、インターネット企業が新卒採用することもまだ少なかったです。最初に配属されたのが社内スタートアップのような企画で、少人数で新しいサービスを作っていくチームでした。2年間くらいその仕事をしましたが、携わったサービスはゼロから100万人くらいユーザーを獲得するまで成長しました。ネットの仕事は、自分でデザインしたものをリリースすると1時間くらいで反応が見えてきます。そのレスポンスの良さに面白さを感じました。デザインの仕事は、プロダクトデザインの場合などでは、デザインしてから世に出るまで時間がかかりますし、デザインがどれくらい売上に寄与したかもわかりにくい。その点、デジタルなものだと明確に数字でわかります。自分が手を動かしたものがビジネスに影響を与えていくんだという実感が得られました。その後、別の会社へ転職、デザインだけでなく、自分の考えをもっと作るものに反映させたい、企画やディレクションもできるようになりたいと考えるようになりました。会社の仕事をしながら、プライベートでもウェブサービスを構築したり、また、シリコンバレーのカンファレンスを見に行く機会があり、刺激を受けて起業しました。

名芸を選んだ理由

消去法です(笑)。高校2年とき、試験勉強をしていて、気が付くと朝方まで壮大なイラストを描いていました。美大を目指している友人もいて、それならばこうしたことを専門とする大学へ行けばいいんじゃないかと思うようになり、美大への進学を意識するようになりました。名芸は、学校を見て自由そうな雰囲気が気に入りました。

大学での経験で役に立ったことは?

大学時代、演劇部で部長をやらせてもらったんですが、その経験。自分が考えてきた頭の中のものを世に出していくということが面白いんです。演劇部では、1年のときから部長で、学内でも学外の公演でも、好きなようにやらせてもらえたのがめちゃくちゃ良かったです。1年365日のうち、350日くらい演劇部のために学校へ来ていましたね。
デザインの授業では、ファンデーションでいろんなことをやらせてもらえたのが良かったです。その中で自分の適性というか相対的に自分の得意なこと・苦手なことが見えてきます。自分はインタラクティブなデザインに適性があるとわかりました。そうした把握ができたことがとても役に立ったように思います。

今、ハマッていることは?

一つは会社のこと、もう一つは子育て。仕事以外の時間はすべて育児に充てています。ほかに何かする余裕はないです。

名芸を目指す人に一言!

2つあって、一つは自分に合ったこと、やり続けていても苦労せずにできることを見付けること。自分は、デジタルのことに関してなら苦痛ではなく、ずっと続けられます。それを大学で見定めて欲しいですね。もう一つは、デザインの思考力を身に着けて欲しいと思います。小手先の技術というのはいくらでも後から身に着けられますが、考え方を鍛えることは普段から習慣がなければ身に着きません。本を読んだり、やったことのない表現を練習したり、そういうことが自然とできるようになるといいですね。デザインには目的があります。そのデザインを通して人の行動を変えるなど達成したいことがあり、その目的に対してどういう表現が適切なのか考えることがとても大切です。論理的な思考ができるデザイナーがすごく求められています。

Fablicが提供していたFRIL

現在は、エンジェル投資家と起業家をつなぐANGEL PORTのCo-Founder/CDOとして活躍