竹内 創

准教授/デザイン領域主任補佐/教務学生主任/メディア教育センター長

加藤 良将

講師

星 安澄

デジタルファブリケーション工房技術員

デザイン領域 先端メディア表現コース この1年

 今年度からスタートしたデザイン領域 先端メディア表現コース。最近では、インタラクティブなデジタルアートが話題になることもしばしば。360度カメラやプロジェクションマッピングといった技術も身近なものになってきました。先端メディア表現コースの説明には、デザイン・映像・メディアの3つの分野を横断する学び、1年次からの特化した授業とありますが、実際にはどんなことが行われているのか。担当する先生に、初年度を振り返りつつ、先端メディア表現コースのこの先についてお伺いしました。

竹内創

 今年度は、メディアデザインコース2年生以上の学生が参加するプロジェクトを中心に担当しました。紹介したようなさまざまなプロジェクトがありますが、映像制作をやりたいという学生が多いのが現状で、たくさんのプロジェクトに参加し、しっかりと取り組むことができたのではないかと思います。
 1年生は、ファンデーションと基礎的なことをやりますが、2年次以降、上の学年とコミュニケーションが取れる課題が重要になってくるのではと思っています。先輩と接することで視野が広がり、考え方が変わったり、可能性が広がるのではないかと思います。そうしたことができる環境を整えていこうと考えています。

加藤良将

 1年生は26人、担当しているのはプログラミングと電子工作で、3Dプリンターを使って実際に動くものを作っています。これまではメディアデザインコースの3年生でやっていた課題を前倒しでやっているような感じで、センサーを使い人に反応する仕組みのあるものを作りました。以前は、教材として部品を配布していましたが、今回から基本となるベースの部分だけ支給し、必要なセンサーなどの部品は自分で調べて調達するようにしました。もちろん調べ方やネットでの注文の方法など事前に説明しましたが、難易度は少々高めかなと考えていました。ところが、思っていた以上に学生たちは考えてくれて、実際にパーツショップに足を運ぶなど、予想以上に熱心に取り組んでくれています。
 芸大の学生は自分で考えてどんどん作っていくというイメージがありますが、それは先端メディア表現の学生たちも同じだなと感じます。2年目からは、さらに自分のやりたいことに即したことができるようになります。プロジェクト型の課題で外部の企業とつながったり、社会に自分の考えを伝えていくことができるようになっていって欲しいと思います。

先端メディア表現コース(メディアデザインコース)のプロジェクト

サカエチカ クリスタル広場ビジョン映像制作

 愛知・岐阜の映像メディアを専門に扱う7つの大学が集まり、それぞれの学生が制作した映像をクリスタル広場の中央LED柱(クリスタル広場ビジョン)に放映するプロジェクト。4本の柱を覆うようにLEDが設置され、さまざまな視点を想定して映像が制作されました。今年度も2022年1月に放映となりました。

大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店 マルチディスプレイ用映像の制作

 先端メディア表現コースとMCDコースとの共同プロジェクト。大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店のマルチディスプレイ用の映像が、学生たちのプレゼンテーションを経て制作されました。ディスプレイは、1つの映像が縦長の8本に分割される特殊な仕様。ディスプレイ同士の隙間を計算し、特徴を生かした映像の制作が必要となります。

鯱バス デジタルツーリズム「withコロナ時代の新”旅体験”モデル 共同研究」

 鯱バス株式会社と、コロナ禍で落ち込む観光業の回復と新しい観光のあり方を共同研究、開発するプロジェクト。えびせんべいの里、まるや八丁味噌、キングファームの3社を見学し、東海地区の特性を生かした産業観光としての魅力や、そこで働く人にもスポットを当て、新たな体験価値を提供できるデジタルツーリズムの創出にチャレンジします。

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工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト映像制作

 メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)の「工芸EXPOプロジェクト」に付随し、先端メディア表現コースの学生が作品の制作過程を追ったプロモーションムービーを作成。「KOUGEI EXPO IN AICHI」(第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)の会場で放映、映画監督の堤幸彦氏とトークショーを行いました。

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1Min Project 2021

 リアルにはコミュニケーションできないコロナ禍の中、サウンドメディア・コンポジションコースの学生とツールを使ってコミュニケーションし、1分程度で起承転結する作品を制作。方法は、音楽主導で制作する「Movie on the Sound」、映像主導で制作する「Sound on the Movie」の2パターン。モーショングラフィックスを使った映像など、多彩な作品ができあがりました。

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1年生、プログラミングの課題からプログラミングを用いた作品制作

 インタラクティブなアプリケーションや計算によるグラフィックの制作を通じて、インタラクションデザインとプログラミングの基礎について習得し、簡単なアニメーションを制作しました。