卒業・修了制作展 優秀賞

ブライトン大学賞 グランプリ

余想

ライフスタイルデザインコース

川部 羽瑠香

日本画コース</p>大竹しおり
 日常の生活に対して、少しだけスローダウンすることで心に余裕を持たせ、QOLを全般的に高めるよう促す作品。効率化することで失われた部分に価値を見いだし、ゆっくりと熟考しながら行動することで質が高められるのではと提案する内容です。
 作品タイトルの「余想」は、余白のある心を持つために、自分を思う時間の意味。五感に、話すこと、歩くこと、寝ること、創作すること、ゆっくりとすることを加え、10の事柄について例示します。ユニークなのはその展示方法。くしゃくしゃにした紙の束からしおり紐を頼りに言葉を見つけ出し、展示されているものを見たり触れたりするインスタレーションになっています。言葉と置かれているもののギャップに、一瞬思考が立ち止まってしまいます。
 「作品の形としてはコンセプト提案なのですが、その提案をインスタレーションで見せるという展示になりました。時間をかけて自分で触って見るという形にしたのは、わかりやすくしてしまうと、私が思っている“ゆっくりものを見る”という考え方に反してしまうと思ったからです。作品自体をゆっくり見ることで、無意識的に『余想』の時間を与えることができるのではないかと考えました」。

特集トップ