名古屋芸術大学デザイン領域 × ヤマハ発動機 産学連携プログラム「場づくりモビリティで考える、新しいまちの可能性 in 浜松」を開催!
2026.06.08
産学官連携
名古屋芸術大学デザイン領域とヤマハ発動機株式会社の共同研究として、同社が開発中の「場づくりモビリティ(場づくりに活用できる移動型車両)」をテーマに、地域の価値や課題を再発見し、まちの未来を考える実践型プログラムを4月18日、25日の2日間にわたり開催しました。
ご一緒したのは、ヤマハ発動機 技術・デザイン統合戦略部 共創デザイングループの皆さん。こちらの部署では、地域が抱えるさまざまな社会課題を解決するべく、さまざまなステークホルダーと共創しながら、まちなかで人や社会のWell-beingの向上を実現するための研究開発活動「Town eMotion」を進めています。
今回はこの活動の一環として、グリーンスローモビリティ(GSM)という時速20km未満で走行できるモビリティをベースに、地域の魅力・可能性と課題を組み合わせながら、ウェルビーイング(暮らしやすさ・豊かさ)を高める「場」のあり方を探るプログラムを産学連携で行いました。
名芸デザイン領域からはライフスタイルデザインコース及びカーデザインコースの2・3年生、計12名が参加。ヤマハ発動機発祥の地である浜松市にて、1日目は鴨江アートセンター、2日目は起業支援拠点FUSE(いずれも浜松駅から徒歩圏内)を会場に行われました。
浜松市は全国的に見ても車の利用率が高い一方で、近年は「ウォーカブルシティ」をキーワードに中心市街地の活性化が進められており、従来の都市構造からの転換が模索されている都市です。そんな浜松のまちなかで、GSMがあることで人々がまちに出て、滞在し、人と人との交流や、地域資源やご縁の循環が生まれる可能性を探りました。
Day 1 |まちと循環車との接点を見つける
自己紹介のあと、GSMの概要やこれまでの開発過程について実車を見ながら学びます。またフィールドとなる浜松市とその中心市街地の概要についてもレクチャーがありました。
午後からはいよいよまち歩きです。最初は浜松在住でまちなかに精通した地域案内人にアテンドいただきながら、その後は4グループに分かれ、自由に浜松の中心市街地にて2時間ほどのまち歩きを実施しました。
まち歩きを終え会場に戻ると、グループごとに発見や気づきを地図上に付箋を貼って可視化し、共有していきます。グループ内で対話をしながら、徐々にたくさん出た付箋から最も重要な要素に絞っていきます。
最後に、「誰が」「どんなことを得られる・どんな感情になる」場を作りたいかを言語化し、「How might we…?(どうしたら循環車を使って……できるだろうか?)」という形式で問いを立てました。
Day 2 |循環車の体験をプロトタイピングする
Day 1 で立てた問いから、各自が1週間の間に考えたアイデアを持ちより、グループとしての方向性をまとめ、具体的な提案に落とし込みます。
さらにそこから、1/10のスケールモデルとして提案を視覚化する作業へ。どのグループも制限時間ぎりぎりまで作業をして、なんとかモデル作りを完了します。
最後にヤマハ発動機のスタッフの皆さんやゲストの方々の前で、グループごとに3分間のプレゼンテーションを行い、皆さんからフィードバックをいただきました。
全プログラムが終了し、参加学生ひとりひとりに感想を述べてもらいました。
カーデザインコースの学生からは、初めてフィールドワークを経験して、こんなにもたくさんの発見があることに驚いた、という声が聞かれました。
一方でライフスタイルデザインコースの学生にとっては、フィールドワークは授業でも定番のリサーチ手法ですが、それをグループで行い、その後もグループで知恵を出し合っていくワークが新鮮だったようです。
全員の言葉から、短いながらも充実したプログラムだったことが伝わってきました。
また、デザイン領域の中でも専門性の異なる2つのコースの学生が協働することで、それぞれの得意分野が活かされ、コース内だけでは到達できないような発想や表現へと繋がったようです。さまざまな専門家と協働していくことが殆どの実社会に出てからも、今回の経験が大いに生かされるはずです。
そして何より、ヤマハ発動機の皆さんやゲスト参加いただいた浜松市のまちづくりに携わる行政および事業者の方々との対話を通して、自分たちのデザインが社会とどのように関わりを持ちうるか、実感をもって学ぶことができたようです。
フィールドワークからアウトプットまでを短時間で行う、かなり駆け足のプログラムでしたが、時間のない中で一旦決めて出し切ることの大切さを経験する貴重な機会となりました。
なお、プログラムの成果を浜松駅から徒歩3分のコミュニティスペースAny(エニィ)にて2026年6月14日(日)から約1ヶ月間展示予定です。
担当教員
小粥千寿(ライフスタイルデザインコース)/田中昭彦(カーデザインコース)
写真撮影:名古屋芸術大学 デザイン領域・ヤマハ発動機株式会社