カリキュラム

現代の多様な芸術文化と社会に関心があり、
自らの発想と知恵、感覚を生かし、
地域と社会がかかえる課題を、協働して解決していく意欲のある人へ。

古代ギリシャ・ローマで「人を自由にする学問」として誕生し、発展したリベラルアーツ。日本では「教養」と訳されています。本コースは、芸術がもつ発想にあふれた創造力と、現代社会で広く活躍できる知見や技術、思考力とを兼ね備えたジェネラリストを育成することを目指しています。自由でクリエイティブな環境の中で、芸術活動と作品に接しながら醸成される経験的な知と「教養」の知の知層を築き、時代が求める複眼的なものの見方、コミュニケーションの力など、社会のどんな場面でも活躍できる力を育んでいきます。

5つのリテラシーから、世界が広がる

芸術教養領域の学びの基幹となるのが、5つのリテラシー、すなわち表現されたものを受け止め、理解し、汎用する力の習得です。少人数ゼミやプロジェクト型の授業を通してスキルを向上させ、グローバルに発想する力、ヒト・モノ・コトをコーディネートする力を伸ばすなど、多彩なカリキュラムを用意しています。

ビジュアルリテラシー

ビジュアルは国境を越える。

写真、CG、映像など、私たちの生活にあふれているビジュアル。それらを見て、理解し、また使って発信することは、現代に求められる欠くことのできないリテラシーです。この実習では、まず物や風景を自分の目でよく見ることからはじめ、それらを的確に受け止め、写真やグラフィクスを使って表現していく基礎力を養います。続いてそれらのビジュアル・エレメントを使いながら、紙媒体や映像による伝達の基本を学びます。そのために必要なデバイスやアプリケーションを使うスキルも獲得します。

サウンドリテラシー

音は世界にあふれている。

音楽という世界観にとどまることなく、ノイズや電子音など新しい発想の音媒体による表現に耳を傾けます。実習では、サウンドについての基礎的なリテラシーを獲得します。音環境について理解しつつ、デジタル機器とアプリケーションの基本的な操作のスキルを取得し、着信音や環境音を制作します。さらに、CMやゲーム、舞台などの場面を想定して、音の世界を構築します。そのための具体的な方法論を学び、実際に音の編集や加工を行い、あわせて社会や環境の中における音のありようを理解します。

情報リテラシー

ICTは、人をつなぐ。

情報社会では、ICT(情報通信技術)を活用することが、コミュニケーションをはかる上で必須のスキルです。まず、ポスターとスライドによるプレゼンテーションについての考えを理解し、デザインと技術を身につけ、コミュニケーションの場やコンテクスト、聴衆への配慮も考えます。次にWebやSNSを使った伝達手法などについて理解し制作技術を習得、その際に使われる言語やアプリケーションの使用法を学びます。インターネットを安全に利用するための、情報セキュリティや情報倫理の知識も習得します。

日本語リテラシー

母語を磨き、ことばの奥深さを知る。

日本語をコミュニケーションの道具として捉え直し、日本語で考え、表現し、コミュニケートし、使いこなす力を訓練します。まず、小説・マンガ・映画・アニメーションなどについて、感想や考えたこと、調べたことを書く訓練を行うことで、自分の考えを文章で表現するライティング力を育てます。次に、日本語を外国語と比較し、その特徴を明確にします。その上で、資料調査等にもとづいたディスカッションを通して、思考とコミュニケーションツールとしての日本語の、実践的な運用能力を養います。

英語リテラシー

共通言語が世界をもっと近くする。

英語の実践的な訓練を通して「ことば」をよりよく知り、様々な場面で生きるコミュニケーション力を身につけます。書きことばでは、物語や絵本、広告チラシ・手紙・電子メール・落書きなど、社会で実際に用いられている幅広い英語使用例を批判的に分析することで、状況にふさわしいことばとは何かや、効果的なことばの使い方を学びます。会話やディスカッションでは、自分の考えを述べ、互いの意見をよく聴き、同意・質問・コメントなどのやり取りで、総体的なコミュニケーション力を養います。

4年の時をかけて、
リベラルアーツ学びの小宇宙へ

人類と文化を考える上で根幹となる科目、現代社会に不可欠なスキルを学ぶ基礎科目から、5つのリテラシーを修得し、さらに少人数ゼミとプロジェクト授業へ̶̶世界と現代社会の問題を発見・設定し、その解決に取り組むスキルを修得するための多彩なカリキュラムが、4年間を通して段階的に編成されています。

グローバルな発想を育む、ユニークな授業たち

ビジュアルリテラシー1

対象物を様々な方法で読解することで「見るチカラ」を養います。1枚の写真やものを見て、その成り立ちや背景を探ることは、自分とは異なる視点の存在を意識することにつながります。はじめに風景を楽しみ、カメラの仕組みを理解し、カメラオブスクラをつくり撮影します。次に文字の成り立ちを学び、実際にレタリングをします。また、映画のシーンやビジュアルの中に潜む物・衣装のデザインや背景を調べ、イメージをコラージュします。

芸術教養レビュー1

日頃の学習成果を、ギャラリーに展示します。ビジュアルリテラシーで制作した立体作品や写真、サウンドリテラシーで作曲した着信音などの実技作品とともに、領域で学んだことや、演習での調査・提案を文と画像でまとめ、口頭でプレゼンテーションも。これらを通して、人に見せるためのディスプレイの方法、分かりやすい文章と説明の仕方、伝わりやすいレイアウト、パネルを制作するためのアプリケーションの操作などを学びます。

サウンドリテラシー1

各々の好きな音楽をもちよって発表し、皆で耳を傾けます。まずはいろいろな音楽があることを知りましょう。その要素であるリズムやメロディー、ハーモニーについて理解し、コンピュータを使って実際に音をつくってみます。また、いろいろな音を記録し、それを再構成します。楽器の構造をよく観察し、その発音原理を理解し、簡単な楽器をつくります。現代メディアの特徴である、インタラクションについても音楽の視点から考えます。

海外研修

自分の国を一歩出ると、言葉は不自由になり、代わっていろいろな情報が感覚器官を通して飛び込んできます。目に見える風景、聴こえてくる音、料理の匂いや味…背後には、その国や地域固有の歴史と風土、育まれた文化があります。見知らぬ都市に滞在するなかで、異なるものに接し、限りない多様性を知ります。2019年は、ドイツのウルムから、オーストリア、スイス、イタリアのフィレンツェを経てフィンランドのヘルシンキ へ移動。全12日間の日程で、様々な文化、美術、音楽に触れ、帰国後は各自の調査成果を発表しました。

情報リテラシー2

インターネット上で展開される様々な現象を、背景となる技術と社会の仕組みを交えてコミュニケーションの側面から概観します。Webの仕組みを理解し、ホームページの制作に取り組みます。HTMLの基本からはじめ、マルチメディア、ハイパーリンクを活用し、いろいろな技術を使って、オリジナルなホームページを作成します。また、インターネットの仕組みやセキュリティ、ソーシャルメディアなど実践的で役立つ情報を提供します。

異文化体験

これからの時代、異なる文化で育った人との関わり合いは、ますます増えるでしょう。他の文化を知ると同時に、自身の文化を意識化していく必要があるのです。自分の知らない文化は外国だけではなく、国内にもあります。この授業では、様々な文化を知るため、学外に赴き、観察をします。その結果をレポートし、プレゼンテーションとディスカッションをすることで、高尚な文化から身近な文化まで幅広く理解していきます。